Foil boat or non Foil boat.


English Original


©Benoit Stichelbaut/PBR


New Generation IMOCA60 with Fiols. "SAFRAN"


Traditional IMOCA60 with attached Foils."MAITER COQ"


Traditional IMOCA60 without Foils."SMA"


Traditional IMOCA60 without Foils."PBR"


Traditional IMOCA60 without Foils.

"QUEGUINER-LEUCEMIE ESPOIR"


フォイル、それともノン・フォイル? IMOCAオーシャン・マスターズのチームは彼らの決定をしました。

March 22 2016.

 

キールやマストに一つのデザインを勧めるIMOCA船隊の中で、チームとそのデザイナーたちは今までの最高のボートを超える手立てはほとんどないという認識を持っていました。しかしながら、伝統的なダガ―ボードでは起こるリーウエイ(船が押し流されること、追い風での偏流)を防ぐだけではなく直進性(さらに安定性と推進力)を向上させ、そして波に突っ込んだり引き込まれたりするのを避けるために船体を縦に持ち上げるように設計された複雑な形状のフォイル(翼)による新しい開発分野に目を開かされました。フォイル装備の最新世代のIMOCA 60艇たちは飛ぶことはしませんがこれらのフォイルを装備していない艇よりは明らかに波に突っ込むことが少なくなっています。そうして、これらの開発により、空飛ぶアメリカズカップ・カタマランや有名なモス・ディンギーによって奮起した潮流は現在最も新しいIMOCAデザインのモノハル(単胴体)艇にも及んでいます。同じような新しい世代のフォイルはまた同じくProto Minis Classe 6.50 クラスでも許可されています。

 

予算的な問題が決定的な要因になった古典的なデザインのナンドール・ファのスピリット オブ ハンガリーを除いて、すべての最新世代のIMOCA60艇はこれらの新しい世代のフォイルを装備しています。

 

しかし、いままでの世代のボートチームの中では、彼らが試しテストしている艇に装着すべきか否かで意見が割れています。

 

マイテュレ・コクの再装着

マイテュレ・コクのジェレミエ・ビヨーはIMOCAクラスに新世代フォイルを許可することに反対して長い間戦ってきました。彼の理由は、進める経緯についてではなくこれらの新しい装備に多大な追加費用がかかる(30万ユーロー規模)ことを考慮してのことでした。しかしながら、IMOCAクラスに新しいフォイルが許可されてからは、ビヨーはそれらがどのように性能を出すかを経過を注視してきました。

 

「この種の革新は最初は非常にゆっくりと始まる、」ビヨーは観察しながら、「リーウエイを防ぐのにあまり効果のない海面でクローズホールド(風に向かう上り帆走)でのロスを帳消しにできるほどの明らかな利点が、古典的なダガーボードよりもフォイルにあるのだろうか? 幾人かは懐疑的だった。しかし、実際には、我々は性能が向上する可能性は大きいということを素早く見抜いた。ジャクエス・バブレ横断レースでのバンク・デ・ポピュラリエールVIIIの性能をみて、遅かれ早かれこれは前に進む道だと私は納得した」と言いました。

 

さらに続いて、ビヨーはマイテュレ・コクをそのレースから棄権をさせました。そして、マイテュレ・コクの地上チームは他のボートと並んで戦列に復帰させるために十分に余裕をもってこの春に重要な再装着作業を行うことに舵を切り始めました。New York Vendee (Les Sables d'Olonne) 大西洋横断レースはビヨーとマイテュレ・コクのチームに、バンデグローブへの参加資格とともに、彼らの新しい装備を付けた艇の試行の機会を提供するでしょう。

 

古典的な装備のPBR、SMA、そしてGROUP QUEGUINER LEUCEMIE ESPOIR (グループ・ケグナー・ルセミエ・エスポアール)

 

 競争の激しかった2008年または2012年世代のIMOCA60艇のチームとはいえ、色々と異なった理由によって、新しいフォイルを装着しないことを選んでいます。

 

2012年のバンデグローブの優勝艇、現在のポール・メイルハットのSMAは彼女がIMOCAオーシャン・マスターズのセントバース~ポルト・ラ・フォイルス横断レースの最中に棄権し、そして続いて漂流したまま放置された後、要請された修理作業で疑問の余地なく装着された新しいフォイルを取りはずしました。

 

ヤン・エリス、グループ・ケグナー・ルセミエ・エスポアー(旧マーク・ギレモットの2008年世代のサフラン)のスキッパーは問題点が少し違います。「フォイルが顕著にスピードを上げるのは明らかだ。誰しもがそうであるように、我々はこの方法に乗り出すべきか否か自問した。我々はいくつかの理由であきらめた。まず最初に、我々の再装着は遅すぎた、そして我々が基礎になる帆走時間を失うというリスクがあった。

次に、我々はフォイルを追加するということをより広い範囲で考えなければならないということを忘れてはならない。フォイルを導入するということは、リーウエイを抑えるという重要な役割をしている舵の役割をおそらく変える。最終的に、この作業を成功裏にするためには資金面での投資が必要だが、今現在そのどちらも我々は持っていない、という結論に達した。与えられたこれらすべての要素を勘案して、代わりに我々は現在のボートの性能を上げることで得る信頼性を選択した。」

 

一方で、PBRの性能は他の改造で向上させられました。そしてスキッパーのビンセント・リオウは彼が船隊の中で一隻の優れたボートをすでに手に入れたと思っています。彼のさらに議論の的になっている観点では、より古典的な装備のIMOCA60艇はいまもってバンデグローブで優勝する大変なチャンスを持っているということです。「我々は優勝のチャンスを向上させることがない新しい世代のフォイルをPRBに装着するどんな理由も見つけられなかった。フォイルを付けた人々は、我々よりもバンデグローブに勝つ素晴らしいチャンスを得るために大量の作業量をこなさなければならないだろう。」

リオーは世間の風潮に反して、ここでいらない物を切り落としています。しかし、それが正しい決定であったという最初の本当の証明はNew York - Vendee (Les Sales d'Olonne) の間に起こるでしょう。追い風の中でなにをなすべきなのか、新世代のフォイルを付けた人々にとってより有利な状況の中で。


最後に、誰しもが、フォイルがどういう形であれ将来のIMOCA60艇のデザインを表しているということに納得しているように思えます。しかしながら、この冬のバンデグローブは移行期になるでしょう。そして、いまだに誰も、フォイルの性能を取るのか、またはいままでどおりの信頼性をとるのか、レースコースの中で最も挑戦的な競争をしながら数か月を超えて走っているの中で、どのようにフォイルを付けた人たちが動作すべきか、言える立場の人はいません。コンピューターVPP計算は新世代のフォイルを装備したIMOCA60艇は、いつもの予期される天候であれば、バンデグローブの全コースを通して3~4日早くなるだろうということを示しています。しかし、実際の条件はまったく別です。したがってだれが正しいのか。この様な技術的な進歩はIMOCAオーシャン・マスターズ・チャンピオンシップを構成する複雑な絵柄模様のすべて大事なパーツなのです。

 

(Souce: OCEAN MASTERS WORLD CHAMPIONSHIP)

(Translation: Watson Courtier.Yokohama Japan. on July.15 2016.)